特徴

クリュセラーター・ブルーダーシャフトの平均樹齢約40年の異なる区画から収穫。全房プレス。野生酵母を使用。ベースワインはステ ンレスタンクで発酵及び熟成。18ヶ月間瓶内熟成。

生産者

キーステン醸造所は何世代にも渡り、家族経営でワイナ リーを営んできた。1992年に現当主であるベルンハートに世代交代し、新たなス タートを切った。一昔前、モーゼルにはブドウ畑を所有しながらも畜産を営む小規模な農家が多く、キーステン醸造所もその一つだっ た。
1992年の世代交代時、畑はわずか3haだったが、その後徐々に拡大し、現在は22haを所有するまでに至った。平地に畑は所有して おらず、全てが急斜面な畑になる。多くの畑は中部モーゼルにあり、幾つかを下部モーゼル（テラッセンモーゼル）にも所有してい る。

栽培

冬における剪定は、ブドウ樹へのストレスを減らすために、 葉が落ち切った後に行われる。

春以降、摘穂、摘芯や除葉などの作業は手作業で 行われ、年によってはブドウ樹一本あたり３回ほど処置が行われる。収穫も手作 業で行われ、健全かつ熟した果実のみを使用するため、区画毎に概ね３回に分け て収穫される。収穫量は5000L/ha以下に抑えている。

醸造

全てのワインは野生酵母で発酵を促す。ワインのアロマを十分に引き出す ためにも、発酵はゆっくりと継続させることを特に意識している。ベルンハート は実験好きで、マセレーションの時間を変えてみたり、全房発酵を行ったりと、 自分が目指す味わいを実現するために試行錯誤を重ねている。
例えば、2019年の ビンテージには初めて花崗岩からできた熟成タンクを使用する予定である。今後 もこのような取り組みは増やしていきたいと言う。

土壌

異なる時代のスレートからなり、青色のデボン紀スレートが主である。スレートが風化して非常に細かくなった土壌もあれば大 きなスレートの塊が多く見られる区画もある。この土壌からは非常にミネラル感が強く、塩味や火打ち石のような乾いた味わいがワイ ンに出る。