特徴

18世紀まではジュヴレに並んで一番高い値段で流 通していたとされるが、1936年に制定されたAOC の規格からはもれてしまったシュノーヴ村のクリ マ。1級でも、ましてや村名ワインですらないが、 シルヴァンの名声を築いたキュヴェの一つともいえ るが、そのポテンシャルの知られていない土壌。

生産者

コート・ド・ニュイの北の端、マルサネの評価を一新する力量を持つ生産者。当主シルヴァン・パタイユは、ボーヌとボルドーの二つの醸造学校を卒業後、故郷ブルゴーニュで醸造コンサルタン トとして活躍。1999年に祖父の畑を譲り受け、自社生産を開始。現在は契約畑を含め15haを耕作する。2008年からは一部の区画でビオディナミも開始。醸造は野生酵母のみで、原則的に全房で 発酵させ、過度な抽出を避け、まるで果皮を煎じるようにゆっくりと長めのマセレーション(30日前後)を行う。熟成には大樽も併用。その結果生まれるピノ・ノワールは、温かさの奥に確たる エネルギーに溢れ、ミネラル風味と清涼感、美しい果実味と繊細な味わいがある。亜硫酸使用も非常に低く、ナチュラル志向が感じ取れる。ロゼにも1930~1956年植樹の古木を使用。マルサ ネ・ルージュ・ランセストラルは1930~1945年植樹の古木のみ使用する。その手腕は現地でも高く評価され、現在醸造コンサルティングの契約も15社に増加している。